〜地域防災講演会〜
(公財)三重県建設技術センター主催による
「地域防災講演会 土砂災害から命を守る 〜女性消防団員による避難所での支援活動〜」を
11月27日(日)津市芸濃町「芸濃総合文化センター」にて開催しました。
当日、天候の悪い中、地元津市ほか、周辺の市町からもたくさんの方にお越しいただきました。
第一部 「土砂災害から身を守るために」
三重県 県土整備部 防災砂防課 砂防班 山下 昌之さん
・土砂災害(土石流、がけ崩れ、地すべり)の仕組みについて
大雨や地震によって起こる危険個所は全国で16,208箇所ある。三重県は10位、1位は広島県(32,000箇所)となっている。全国で土砂災害の件数は、平成26年で1,184件、平成27年度は780件、本年度(10/31まで)1,446件が起こっている。三重県では、志摩市、南伊勢町、名張市、桑名市で5箇所発災している。
・地震によって起こる土砂災害について
特徴として、局所的で突発的に起こる。いつどこで起こるか分からない。発災後のアンケートを実施したところ、いつ逃げたかの問いに、27%が発災前、73%発災後と回答した。三重県としてハード対策(施設の整備)とソフト対策(避難所体制の整備)を行っている。
日頃の備えと早めの避難をしてほしいとのこと。
第二部 「その時、女性消防隊にできること」
広島市安佐南消防団 せせらぎ女性消防隊 西部 美千代さん
広島市で平成26年8月20日に発災した土砂災害について、女性消防団としての活動を報告していただいた。
バックビルディング減少による、夜中から続く豪雨。雷により避難が遅れ、八木地区(53名)、緑井地区(14名)、山本地区(子供2名)、可部地区(6名)で死者が出た。可部地区においては、消防職員が子供を抱いたまま土砂に襲われ、抱いたままの状態で発見された(殉職)。山本地区では、たまたま1階で寝ていた子供たちが土砂に埋もれた。
発災当時、道は土砂に埋もれて、道なのか水路なのか、まったく区別できない状態。田んぼの中を歩いているような状態。住宅に山から人の何倍もある岩が流れてきていた。
避難が遅れた理由として、夜中であったこと、雷がすごかったこと、避難勧告等が遅れたことなどがあり、さらに雨が一時的にやんだ時もあったせいではないかと講師は語る。
発災後、女性消防団は現場には入れない。そのことから、避難所の運営に携わり、毎日の清掃、ごみの搬出などを行った。情報の共有を図るため、壁に物資の到着などを知らせたり、体調チェックなどの声掛けをした。
人命救援活動をしている男性消防団においても同様だが、休憩には人目のつかないところで取っていた等の話もしていただいた。
土砂に埋もれた家を掃除してくれるボランティアも来てくれたが、消防団が着ている”活動服”を着ている人じゃないと嫌だと言われと聞き、信頼されていることを喜んでみえた。
〜マスコミ掲載〜
今回の防災講演会の様子は、12月1日付中日新聞朝刊 三重版と
12月6日付建通新聞にて 取り上げられました。
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