よくある指摘事項
構造設計者の皆様へ
 
 当センターでは、これまでに精査してまいりました構造計算書について、このほど「判定できない理由」に付した補正所見のうち比較的頻度の高い指摘事項を取りまとめ、「よくある指摘事項」として掲載させていただきました。
目 次
 I. 共通
     (1)保有水平耐力
     (2)スラブ
     (3)たわみ
     (4)クレーン
     (5)地盤・基礎
     (6)ひさし
     (7)計算プログラムのメッセージへの対応
 II. 鉄骨造
 III. 鉄筋コンクリート造

 「よくある指摘事項」は当センターに所属する判定員全員の共通理解の下に指摘させていただいているものではありますが、構造設計者の自由な発想を妨げるものでは毛頭ありません。ここで示した事項はあくまで一般的な指摘であり、個々の物件については異なる観点からの対応がいろいろあろうかと思われます。このことは「よくある指摘事項」のみならず、補正所見に付された指摘事項全般に言えることであり、当センターでは構造設計者独自の考え方を十分尊重した上で、適正な判定に努める所存です。
 構造計算書、構造図、判定できない理由、指摘事項に対する回答書等は、お互いに顔の見えない構造設計者と判定員の間の「対話」であります。この「対話」の目的は言うまでもなく適正な構造計算によって安全な建物を建てることにありますが、この「対話」を円滑に進行させるよう、以下の基本事項に留意していただけると幸甚です。

I. 設計図書等の作成方法

  1. これは当センターが指摘することではないかもしれませんが、だれもがわかりやすい図書の作成に留意いただきたい。適合性判定を受けた構造計算の結果が正しく実際の建物に反映され安全な建物が建てられるために、必要な情報は全て構造図に記載されている必要があると考えます。建築施工現場で齟齬をきたさないための構造図作成に留意願います。
  2. 一般的な計算のほかに特別な検討を行う場合は、理解しやすくするため、数値計算を示す前に、どのような考え方で計算を行うかを明示していただきたい。
  3. 同じく、二次部材の検討などは手計算で行われる場合がありますが、計算式中の数値が理解できない場合があります。最初に現れる計算式で単位(kN、m、kN/mなど)を明示していただきたい。
  4. 当センターの指摘事項に対する回答を頂く際、13号様式を添付していただくこととなっておりますが、追加検討を求められた事項に対する回答欄へは、検討を行った旨だけでなくその検討結果を簡略に記述していただきたい。

II. 建築主事等の指摘及び回答

  1. 建築主事等において指摘された構造関係事項の内容とそれに対する対応内容の記述が、簡略化され過ぎていて当センターでよく理解できない場合があります。第三者にも理解できる書類作りをお願いします。
  2. 建築主事等において指摘された事項に対応するために行われた再計算の電算アウトプットの説明が不足しているため、当センターにおいて何のためになされた再計算かよく理解できない場合があります。再計算の理由や初期の計算と何が異なるかを明示していただけると理解しやすいと思われます。

III. 当センターの指摘および回答

  1. 上にも述べたように設計者の自由な発想を尊重するため、対処法を強制するような指摘は極力避けるよう努めております。このため指摘事項をよく理解していただけない場合も出てきます。指摘事項の内容やその対処法についてご質問がある場合は、遠慮なくメールにてお問い合わせください。場合によっては面談も可能です。
  2. 時々、一回目の追加説明書の内容を事前に見てほしいと言う要望がありますが、これはご遠慮ください。ご要望に副えない理由は、一回目は一般に補正事項が大量であること、また、事前書類を見させていただいても正式書類は見なくてよいということにはならないため、業務が二重手間になり、担当判定員が非常勤の場合かえって時間が長くかかるためです。ただし、二回目以降の指摘は、課題が煮詰まっていることから主にメールでの事前審査を受け付けております。